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「それでは、明日のホームルームで第三希望まで決めてきてください。今日は解散です。お疲れ様でした」
生徒会の文化祭担当の人からの説明が終わり、一回目の委員会がお開きとなる。
俺が席を立とうとすると、隣に座っていた女子生徒が話しかけてきた。
「日比谷くんっ、いい文化祭にしようね!!」
そう意気込む星野は同じクラスのもう一人の実行委員。
「あー......そうだな」
適当に合わせた返答にもかかわらず、星野は目を輝かせて、俺の手を握ってぶんぶんと振ってくる。
「わーっ!日比谷くんもやる気だね!無理やり決まってたからやる気ないかもって思ってたけど、安心したよ!!」
「......」
なんの疑いもない瞳で言われたから、何も言えなくなる俺。
......なんていうか、星野は素直で元気な女だ。
それから、すっげえおせっかい。
俺が勝手に文化祭実行委員にされたとき、私が支えてあげなきゃという謎の使命感が湧いたらしい。
それで立候補したんだとか。
つまり鈴原の心配は的外れだったってことだ。ざまあみろってんだ。
「これから頑張ろうねっ」
「ああ」
そう答えれば、星野は満足げに笑った。
「ふふっ。じゃ、また明日!!」
そして、椅子から立ち上がり、手を振りながら廊下へ出ていく。
俺は手を振り返しはしなかったけど、小さく頷いて見送った。
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