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俺も帰ろうとして廊下に出た瞬間、誰かが後ろから抱きついてきた。
一瞬、鈴原か翔平かと思ったが、いつもとは異なる感覚からすぐに違うとわかる。
「センパーイ。こんちわー」
鈴原よりもチャラついた口調で俺のことを先輩と呼ぶそいつに、思い当たる人物はいない。
全く面識がないのに、いきなり抱きつかれたということだ。
人違いか......?
振り払って見れば、そこには金髪の男が立っていた。
サラサラとした髪からのぞくのはタレ気味の目。全体的に人懐っこそうなイメージだった。
金髪の男は俺の顔を見ても反応を変えなかったから、俺だとわかっていて抱きついてきたらしい。
でも、やっぱり俺はこいつと会ったことはない。
「誰だよ」
俺がそう聞けば、金髪はへらっと笑って名前を名乗る。
「俺、一年四組の立花涼太(タチバナリョウタ)っす」
「四組?」
四組ってたしか......。
俺が疑問形で繰り返すと、立花という男が頷いた。
「はい。玲クンと同じクラスっす!」
「へー......」
鈴原のクラスメイトと会うのは初めてで、少し新鮮だ。
というか、鈴原の名前を出してくるということは、俺らの関係を知っているのだろうか。
そうだとしたら、なんだかいたたまれない。男同士の俺たちは、周りから見たらやはり異色だろうから。
そう思っていると、立花は俺をじろじろと見てきた。
「なんだよ」
「いや、センパイ、いい身体してんなーって」
「は?」
わけのわからないことをほざく立花にジト目を向けると、立花は笑い出した。
「ははっ、そんな目で見ないでくださいよ」
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