アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
133
-
立花は肩をすくめて、可笑しそうに言う。
「あの爽やか王子クン、陽センパイのこと聞いても全然話してくれないんすよ。だから気になってて、今日会えて嬉しいっす!気まぐれで委員になってよかったー」
「......」
この男から、偏見の目や嫌悪感は感じられないが、やっぱり俺たちは興味の対象なようだ。
面白半分で関わられるのはいい気がしないから、少し黙っていると、立花が思いついたように口を開いた。
「ね。センパイのこと、陽さんって呼んで良いっすか?」
「は?」
「なんかそっちの方が仲良しっぽいじゃないすか」
いや、意味がわからない。俺とこいつは仲良しじゃないし、仲良しになる気もない。
こいつの思考についていけないでいると、いきなり手を握られ、ぎょっとする。
「おいっ!」
「お近づきのしるしにどうぞ。めっちゃ良いっすよ、コレ。薄くて丈夫で最高っす」
「は?」
何かを握らされたので見ると、そこには......こっ、コンドーム!?
何考えてんだ、この馬鹿!
「おいっ、こんなのいらねえ!」
「あ、玲クンが来た。じゃーね、陽さん」
「ちょっ.....」
すぐに返そうとするが、立花はそれをかわして歩いて行ってしまう。
その先には鈴原がいた。俺をわざわざ迎えに来たのだろう。
教室で待ってろって言ったのに......。
俺はばれないようにコンドームをスラックスのポケットに入れた。
「ばいばーい、玲クン」
「立花、お疲れ様。また明日」
向こうから来た鈴原とすれちがった立花は、鈴原に声をかけて去っていく。
爽やかな笑顔で対応する鈴原だったが、立花が見えなくなると、すぐに豹変してため息をついた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
133 / 343