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「はぁ......遅いから迎えに来てみれば......」
それはもう心底嫌そうな顔。
その変わり様には、ほんと毎度感心する。
「立花と何話してたんですか?」
低めの声で聞かれて、俺は引き気味に答える。そんなに機嫌を斜めにするほど立花が嫌いなのだろうか。
「別に、名前聞いただけだけど......てか、怖えよ、その顔。よくそんなに変われるよな」
嫌味を言ってやったのに、鈴原はそれを無視して続けた。
「立花は手が早くて有名なんですよ。気をつけてください」
「なに、あいつホモなの」
「いや、今までは女の子ばっかりみたいですけど......」
鈴原が気をつけろとか言うから、てっきりそうかと思ったのに。それなら心配ねえじゃねえか。
「俺、男なんだけど」
「それでもです。最近よく陽先輩のこと聞いてくるから、もし狙われてたら危ない」
「......わけわかんねえ」
女好きが男の俺を狙う?俺は翔平みたいに女顔でもねえし、そんなわけねえじゃねえか。ただの好奇心だろ。
「とにかく、立花と二人きりになるのは避けてくださいね」
「......」
「陽先輩」
念を押してくる鈴原に無言でいると、鈴原は強めに名前を呼んでくる。
納得できないけど、俺には上級生にヤられそうになった前科があるし、一応従うことにした。
「......わかった」
「いい子」
そうすれば、鈴原はにこやかに笑って俺の頭を撫で、歩き始めた。
「帰りましょうか」
「ん」
立花のことは、学年も違うし、そうそう接する機会はないだろうと考えた。
しかし、それが甘かったのだと気づくのはもう少しさきの話。
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