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「うーーーーーっ」
「もう決まったことなんだから、しょうがねえだろ」
放課後の教室。
LHRが終わってから翔平はずっと唸っていた。
「だって!なんで女子と俺がメイド服着るの!?男子は執事服なのに!!」
「お前が女顔だからだろ」
俺たちのクラスの第一希望は、定番のメイド・執事喫茶となった。
全ては、翔平のファンの陰謀だろう。
満場一致で即決。
司会進行をしていた俺にとって、早く決まることはありがたいことこの上なかったが、翔平はまだ納得していないらしい。
「だいたい、陽ちゃんなんで止めてくれなかったのさ!」
「いや、クラス全員乗り気なんだから、俺一人が反対しても意味ねえし」
「もーっ、お嫁にいけなくなったら、陽ちゃんのせいだからな!」
「......」
嫁とかそういうこと言うから、メイド服が似合う認定されるんだよ。翔平はバカだからそのことには気づかないけど。
しかし、可哀想なのも事実だ。俺だったら絶対に嫌だしな。
仕方がない。まだ今日の委員会までは少し時間があるから、翔平の愚痴に付き合うか。
そう思っていると、トイレに行っていた支倉が戻ってきた。
「なんだまだ文句言っているのか」
「......っ」
支倉にそう言われると、翔平の肩がピクッと動いた。
それに気づいた俺は翔平にどうしたのか聞こうとしたが、その前に支倉がまた声をかけた。
「岡本なら似合うと思うぞ。絶対に可愛い」
え?なに恥ずかしいことマジ顔で言ってんの?
寒いセリフに若干引く俺。
「ーーーっ」
しかし翔平は顔を真っ赤に染めた。
......?一体なんなんだ?
思考が追いつかないうちに、翔平がダッシュで教室を出て行ってしまう。
「お、俺っ、飲み物買ってくる!!!」
「え、おい!」
引き止める間も無くいなくなった翔平。
「......お前らなんかあったのかよ?」
何かおかしいと思い、支倉に問えば、支倉は淡々と言った。
「告白したな」
「は、はあ!?」
俺は支倉の言葉に大声を上げてしまう。
どうやら、俺の知らないところで大変な事件が起こっていたようだ。
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