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「え、何、どういうことだ?いつ?」
俺がしどろもどろに聞けば、支倉は即答する。
「日比谷と鈴原が晴れて両想いになったすぐ後だな」
「は!?じゃあ、夏休み前.......あ」
そこで、そういえば海に行ったときに二人があまり接していなかったのを思い出した。
いつも翔平から話しかけに行っていたのに、それがなかった......ような気がする。
情けない事この上ないが、あの日の俺は自分の背中に意識が向いていたから、それ以外のことはあまり覚えていない。
「え.....てことは、付き合ってんのか?」
翔平も赤くなってたし、そういう事なのかと思って聞いてみると、支倉は首を振った。
「いや。付き合ってない」
「え、じゃあ、振られて......」
そう言うと、支倉は今度は眉間のしわを寄せてしばらく考えこんだ。
そして、結局答えは出なかったようだ。
「わからん」
「わからないはねえだろ......」
俺が呆れ気味に言えば、支倉は言葉を続ける。
「しかし、その日は話を逸らされてしまったし、それ以来まともに話していない。今日のも見ただろう?」
「まあ、そうだけど......」
ていうか、支倉って翔平のことが好きだったのか。
支倉はあまり感情を表に出さないから、気が付かなかった。
翔平も俺といるときは普通だったし。
なんだか、自分だけ蚊帳の外だったようで、少し面白くない。当事者じゃないからしょうがねえけど。
「まあ、頑張れよ」
俺がそう言うと、支倉は不思議そうな顔をする。
「.....なんだよ?」
せっかく素直に言ってやったのに、そんな顔をされては応援しがいがない。
少し不貞腐れて言うと、支倉は焦ったように言う。
「あ、いや、応援してくれるのか」
「は?反対なんかするわけねえだろ」
「もちろん、反対されるとは思ってないが......」
賛成されるとも思っていなかったという顔をする支倉。
俺だって翔平と支倉には世話になったんだから、応援ぐらいする。なにより......
「お前ら二人とも......い、いいやつだし?お似合いなんじゃねえの?」
もちろん翔平が嫌がるならしょうがないが、これは本心だ。
小っ恥ずかしいことを言ったと思い、そっぽを向く。面と向かって友達を褒めるなんてがらじゃないことしたから、顔もきっと赤い。
すると、支倉の口から今まで聞いたことのない声が出た。
「ぐはぁ!」
ぐ、ぐはぁ......?
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