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「な、なんつー声出してんだよ」
俺が引き気味に言うと、支倉は口を押さえた。
なんで若干息荒くなってんの?きもいんだけど。
「日比谷......俺の前でデレるな」
「は?」
「萌えてしまうだろう......」
「も、もえ......?」
もえ.....燃え?あ、萌えか。
そういえば、支倉は腐男子の疑惑があるんだった。そういうのにやたら詳しかったし。
「やっぱりそうなのか」
俺が納得したように言うと、支倉は首を傾げる。
「なんのことだ?」
「いや、やっぱり腐男子は自分も男が好きだったんだなって。そこらへんお前微妙だったから、これで納得した」
そう言うと、支倉は口から手を離し、ゆらぁと身体を揺れせて俺の方を見つめてきた。
「......違う」
「は?何?」
よく聞こえなくて聞き返すと、今度ははっきりと口に出す。
「それは違うぞ、日比谷!!」
なんかスイッチが入ってしまった様子の支倉。
目の色も変わってて相当怖い。
「は、支倉?」
俺が後ずさると、支倉はそのぶん距離を詰めて、話し始める。
それは聞きたくなかった話だった。
「最初は.......最初はっ、なんだこいつ可愛いな妄想の肥やしにしたい、くらいにしか思ってなかったんだ!!俺はあくまで傍観者!小悪魔攻め岡本×ヘタレ受け日比谷なのか、ヘタレ攻め日比谷×誘い受け岡本なのか、岡日か日岡か、日々悶々としていたくらいだ!!」
「勝手に俺を巻き込んでんじゃねえ!!」
結局こいつも俺と翔平をBLに仕立て上げてたのかよ!女どものこと言えねえじゃねえか!
それになんで俺はいつもヘタレなんだ!納得いかない!
しかし、俺の意見は虚しく無視され、支倉は次々と聞きたくない言葉を紡ぐ。
「岡本、マジ天使。マジ尊い。マジシコい。次はどう妄想してやろう。モブか?教師か?3Pか?道具はいるのか?いやもう岡本ならなんでも萌える!岡本最高!!そう思ってたのに。それがいつしか.....自分の前で笑っていてほしい、自分が岡本を幸せにしたいと思うようになっていて......くっ、自らが介入しようだなんて、腐男子としてあるまじき失態だっ!俺は腐男子失格だ!!」
「し、しこっ......さんぴ......」
俺は口をひきつらせる。
これが、壊れた支倉か......。
優等生眼鏡委員長とは思えない有り様に、目眩までしてくる。
これを見た翔平の感想は、面白い、だったはず。俺には到底そうは思えなかった。
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