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「ねえ。何してるの?」
再び聞こえた声に、俺は恐る恐る首を動かす。
恐る恐るなのは、その声がすごく怖いから。殺気、といっても良いかもしれない。
向けた顔の向こうには、笑顔の鈴原。
いつもの意地悪な笑顔とか、人を馬鹿にした笑顔とかではなく、ただただ笑ってる。笑ってるけど、心は絶対に笑ってない。
「どういうこと?」
「いや、これは......」
一歩一歩近づいてくる鈴原に俺は慌てて言い訳をしようとするが、立花がそれにかぶせて言う。
「あ、玲クン!陽さん面白いねー。ちょっと冗談言っただけなのに、めっちゃ焦るんだもん。かわいー」
「なっ!?」
俺から距離をとって、おどけたように言う立花。
かわいいだなんて、鈴原以外のやつに言われたのは初めてで戸惑った。
「......それは?」
その言葉にさらに機嫌を悪くしたであろう鈴原は、笑顔をはり付かせながら、立花の持つモノに指を指して尋ねる。
「コレ?陽さんにあげたのに使わないって返されちゃったんだよねー。あ、玲クンいる?」
「......」
「あれ、玲クンも使わない派?え、もしかして男同士で生でしてんの?リスク高くない?」
「ーーーっ!立花!お前、いい加減にっ......むぐっ」
立花の言葉をこれ以上は聞いていられなくて、立花を止めようと怒鳴ると、鈴原が俺を抱き寄せた。
顔が鈴原の胸に押し付けられて、息が苦しい。叩いて抵抗したが、鈴原の身体はビクともしない。
「いる。ありがとう立花」
「あ、そう?はいどーぞ」
何言って!?
俺たちはそんなモノをつけたことがないのに、立花からソレを受け取る鈴原に驚く。
「お礼にこれあげるよ」
「え、でも俺コーヒー飲めな」
「いいから」
有無を言わせず、今買ってきたであろう缶コーヒーを立花に渡したようだ。
立花は、鈴原の気迫に負けたのか、素直に礼を言う。
「あ.....あざーす」
「じゃあ、俺、今から具合悪くなって早退するから先生に言っといてもらえるかな?」
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