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145/支倉高志side
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「岡本......?」
「ははっ!ほんと支倉っておもしれーっ」
あの状況で笑い始めた岡本に、俺は戸惑いを隠せないでいた。
俺は何か失敗をしてしまったのだろうか。
「あははっ......はー......」
岡本は声をあげて笑っていたかと思うと突然静かになり、俺の目を見つめて、また笑った。今度は小悪魔のように、にっこりと。
俺の好きな顔。
それにドキッとしてしまう。
「普通さ、つけ込んでるとか本人に言う?どんだけ真面目なのさ。あ、でも本当に真面目だったら、こんな交際申し込まないか」
「......嘘はつきたくないからな」
正直な気持ちを伝えると、岡本はいっそう可笑しそうに目を細める。
「あはっ、支倉らしいや。まぁ、よーするに、お互いを利用しましょうってことだよね?」
「そういうことだ」
「陽ちゃんを忘れさせてくれんだ?」
「ああ。努力する」
「ちゃんと俺を支倉でいっぱいにしてくれる?」
「もちろんだ」
岡本の質問責めに即答する俺。それほど俺は必死だった。
必死になるほど、岡本と付き合いたい。それほど岡本が好きなんだ。
付き合って、いつかは想い合って、笑い合いたい。
そのためなら順序なんてこの際どうでも良い。
「あは。.......いーよ、付き合おっか」
「本当にいいのか?」
望み通りの返事を貰え、念を押す俺に、岡本は大きく頷く。
「うん。告白されたのはちょっと予想外で避けちゃってたけど、支倉のことは普通に好きだし。俺だっていつまでも陽ちゃんから離れられなかったら困るもんなー」
どこか切なげで、でもやっぱり魅力的なその顔に、俺は目が逸らせない。
この顔を屈託のない笑顔に変えられる日が、いつか俺に来るのだろうか。
岡本の顔に見入っておる俺に、岡本は「だからさ」と言葉を続ける。
「俺を途方もない片想いから救ってね」
こうして俺たちの奇妙な交際が始まった。
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