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俺の息が整ってきた頃には、鈴原はすでに平然としていて、保健室のベッドにぐったりしている俺に問いかけてきた。
「先輩、今六限目ですけど、教室戻りますか?」
鈴原は早退したことになってるが、俺はただのサボりだ。
今から戻ることも出来ないことはないが、正直、身体がきつい。
「無理......」
俺がそう言えば、ベッドの端に腰をかけている鈴原が俺の頭を撫でる。
「ですね。じゃあ、先生が戻るまでゆっくりしてましょうか」
「......」
返事をする気も起きなくて無言でいれば、鈴原がばつの悪そうな声を出す。
「陽先輩......怒ってます?」
そう聞かれれば答えはもちろん、怒ってる、だ。
「......嫉妬のたびにこんなことされたら、たまんねえよ。立花とは委員会の仕事でこれからも一緒になるんだから、きりねえだろ。もうやめろ」
「......はい。すみません」
俺が不機嫌丸出しでそう言えば、鈴原は大人しく従った。
あまりのしおらしさに少し心が痛むが、どうしたって納得いかないことがある。
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