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そんなことを考えながら、誠さんと軽い世間話などして数分。
「着いたよ」
停止した車から降りて、何歩か歩くと、誠さんの店に着いた。
「ただいまー」
店に入る誠さんの後ろに俺も続く。
しかし、中から聞こえた声に、俺は今すぐここから立ち去りたくなった。
「もー遅いっすよ、店長。めっちゃ混んでで大変だったんすよー?」
「ごめんごめん。お客さん連れてきたから、コーヒー淹れてくれる?」
「了解っす!......って、あれ?」
後ろの俺に目を向けて、驚いた顔をするそいつ。
立花涼太。
俺が今もっとも会いたくなかった人間だ。
なんと、そいつが誠さんの言っていたバイトだったらしい。
「あっれー?陽さんだー!」
俺を認識するなり、テンションを高めた立花に、誠さんは首を傾げる。
「知り合いだった?」
「学校の先輩なんすよ!ね、陽さん?」
「あぁ......」
肩を揺らして聞いてくる立花に、曖昧な返事をして、世の中は意外と狭いのだと思い知らされた俺は頭を抱えた。
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