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あの後、誠さんに送ってもらって、家に着いた。
誠さんは俺の部屋まで運んでくれようとしたけど、さすがにそれは申し訳ないから断ると、誠さんは「また店においでー」とにこにことしながら帰っていった。
まじで優しい。
やっぱりあんな大人に憧れる。まあ、俺になれる気はしねえけど。
そんなことを考えながら、エレベーターに乗って、部屋の前までたどり着く。
......どうしよう。
少し遅くなった帰宅に、鈴原は理由を聞いてくるだろう。
誠さんの店にいたことはいいんだけど、問題は立花だ。
立花のことを言ったほうがいいのか......でも、また怒るかも。
部屋のドアの前で悩んでいると、ドアが開いた。
「あれ?陽先輩、お帰りなさい。こんなところで何やってるんですか?」
「......あ、た、ただいま」
「......?わ、重そうですね。もうご飯出来てますから、手洗って食べましょう」
挙動不審の俺に首を傾げる鈴原は、俺の荷物を簡単に持って、部屋に入って行く。
「え、お前、どっか行くんじゃねえの?」
ドアを開けたから出かけるのかと思い、そう聞くと、鈴原は何気なく言う。
「いやー、陽先輩いつもより遅いから心配で、ちょっと下まで見に行こうかなと思っただけです」
「あ、ごめん......」
思わす謝りながら、俺も家へ上がる。
すると、きょとんとした鈴原が振り返った。
「え?怒ってないですよ。そこまで束縛する気はありませんから、安心してください」
「いや......あの、誠さんの店にいたんだ」
「誠さんの?あー、喫茶店でしたっけ。真希さんが前言ってた気がする。俺も今度行ってみたいな」
「......そこのバイトが立花だった」
俺がそう言うと、鈴原は無言になった。
......やっぱり、怒った?
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