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鈴原とはギクシャクしてるし、翔平は彼氏がいる自覚が出来たから、今俺に抱きついてくるような人物は一人しかいない。
「おい、近いのはやめろって言ったよな?立花」
「えー、覚えてないっすー」
「てめえ」
「あははっ。怒った陽さんも可愛いー」
立花を振り払いながら睨みつければ、ヘラヘラといい加減なことを言う立花。
そんな立花に俺はため息をつく。
「ったく。なんだよ。なんか用事か?」
「あー、今日店来ませんか?店長が用事あるって」
「誠さんが?」
「ういっす」
正直、鈴原のことが気になるし、明日文化祭だし、家に直帰したいところだが、誠さんが用事があるのなら行くしかない。
あの優しい笑顔を見たら、癒されるしな。
そう思って、俺は立花に返事をした。
「わかった」
「よっしゃー!放課後迎えに来ますね」
「いや、一人で行けるし」
というか、一人で行きたい。これ以上、鈴原の機嫌は損ねたくないし。
それなのに、立花は俺の言うことを聞かずに、帰って行ってしまう。
「じゃあ、放課後に!」
「ちゃんと話聞けよ......」
見えなくなった姿に、呆れ気味に言えば、隣にいる支倉が尋ねてきた。
「良いのか?二人で行くなんて」
「よくねえけど......なんか、立花って俺と似てるから、ほっとけねえって言うか......」
そう言うと、支倉は眉間にしわを寄せて呟いた。
「......俺は似てないと思うが」
「え?」
よく聞こえなくて聞き返すと、支倉はなんでもないと首を振る。
「いや、......まあ、気をつけろよ」
「......?ああ」
何かの忠告を残して、接客の練習をしていた岡本の方に向かう支倉。
その姿に首を傾げながら、俺は、鈴原になんとメールをしようか考えていた。
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