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「は......?」
「陽......さん......?」
二つの驚いた視線。
鈴原は立花から手を離し、今度は俺を床に押し付ける。
「......っ」
「立花は悪くないってどういうこと?あの状態でそれ言われると、合意の上でしたって思えるんだけど」
「......違う」
「わけわかんない。ちゃんと言って」
「......っ。誰も悪くないっ」
「はあ?何言ってんのか全然わかんない」
鈴原の目、声、力、全てから怒りを感じる。
怖くて怖くて仕方がないけれど、それでもこれは譲れない。
だって、立花は泣いてた。
こんなこと本当はしたくなかったんだ。
だから鍵だって掛けてなかったし、鈴原がここに来るように仕向けた。
きっと、自分じゃ止まれないのがわかってて、誰かに止めて欲しかったんだ。
鈴原は俺の腹についた精液を指差して俺に問う。
「......コレ、どっちの精液?どこまでした?」
「なっ......!」
「あーイライラする。今ここで、お仕置きしてもいい?」
「い、嫌だ!」
「は?そんなこと言える立場だと思ってんの?」
「......っ」
まるで別人のような鈴原に、身の毛がよだつ。
この状況で泣くのはずるいとわかっているのに、俺の目からは涙が溢れた。
「......ぅうっ」
「泣きたいのはこっちなんだけど。立花の方をかばわれた俺の気持ちわかってる?」
「うっ......ご、ごめっ。でもっ」
「はぁ......帰るよ、先輩。服着て」
腕を引き上げられて、立ち上がる俺。
服を着るとすぐさま玄関の方へ連れていかれる。
鈴原にグイグイ引っ張られながらも後ろを振り返り、顔を押さえて座り込んでいる立花に、涙声でなんとか伝える。
「立花っ、俺怒ってねえからなっ。お前にもぜってえ、信用できる人できっから!」
こんなこと言って、また鈴原を怒らせるのはわかってたけど、それでも伝えたかった。
俺が立花にしてやれることは、こんな言葉をかけてやることぐらいだから。
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