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196/立花涼太side
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「は、何言ってんすか?そんなん無理に決まってるっしょ?」
「このままこの部屋に縛られて生きていくつもり?そんなの悲しいよ」
勝手に家を出ろと言ったり、俺のこれからの人生を悲しいと言ったりする店長に、俺は怒りが爆発してしまい、乱暴な口調で怒鳴ってしまう。
「ふざけんなよ!!あんたも知ってんだろ!?俺は、ここ以外行くとこねえんだよ!叔父さんは俺のこと重荷としか思ってない、高校の学費も出してくれないような人なんだから!」
だから毎日バイトしてたんだ。金のためだったら、セクハラだって耐えたし、むしろ積極的にしてたときだってある。
俺がどんなに大きな声をあげても、店長は動じない。
それどころか、俺の目をまっすぐ見つめて、口を開く。
「うん。だから、俺と一緒に住もう」
「は?」
「住み込みでバイトってことでどうかな?高校のお金も俺が出すよ」
「......あんた、どんだけお人好しだよ。ばかじゃねえの」
「そうかな?涼太くんは、器用で将来有望だから、投資だと思えば結構いい考えだと思ったんだけどなぁ」
そう言って、にこりと笑う店長。
この人は正気なんだろうか。
そこで『お前にもぜってえ、信用できる人できっから』と陽さんが言っていたのを思い出す。
これ以上悪くなりようのない人生。それならば、賭けてみてもいいかもしれない。
陽さんが、大事な玲クンに反抗してまで、かけてくれた言葉。
それを信じて、俺はこの人にすがってみることにした。
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