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214/鈴原玲side
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「なんのつもり?」
頭を下げた立花にそう尋ねれば、立花はそのまま答える。
「ごめん」
「悪いと思って髪黒くしたの?そんなんで、更生できたと思ってるんだ?そんな簡単なもんじゃないでしょ」
我ながら酷い言葉だとは思う。しかし、止められない。
俺の言葉に立花は肩をぴくっとさせたが、それでも頭を下げ続ける。
「俺が全部悪かった。陽さんは一つも悪くない」
「ふーん......でも、先輩はそんなこと一言も言ってなかったけど?最後まで理由も教えてくれなかったし」
そう言えば、立花は驚いた顔で俺を見た。
「え?なんで......?」
「そんなの俺が聞きたい」
「......」
立花は少し考えるように黙ってから、語り始めた。
陽先輩を犯しそうになった理由。
陽先輩が立花を庇った理由。
立花の過去。
「......だから、陽さんは何も悪くないんだ。俺のことは気の済むまで殴っていいから、陽さんのことは許してやってほしい」
それら全てを聞いて、俺はやっと納得できた。
優しい陽先輩らしい行動。
でも、たとえそれが分かったとしても、もう遅い。
だって......
「許すも何も......俺たち、もう別れたから」
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