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「それは......先輩はもう俺のこと好きじゃないってことですか?」
目を見開く鈴原に、俺はまた言葉が足りなかったと焦る。
「え?あっ、いやっ!そうじゃなくて!」
不安げな黒い瞳に見つめられ、俺は次に何を言えばいいのかと、視線をさまよわせる。
「だから、えーと......」
俺の考えがまとまるまで鈴原は何も言わずに待ってくれた。
やっと頭の整理がついた俺は、ゆっくりと話し始める。
「......俺がやめたいのは、鈴原だけに負担をかけることだ」
「え......?」
「お前、いつも自分だけが俺のこと好きだって顔するだろ?まあ、それは、俺が求めすぎたせいでもあるんだろうけど......ごめんな」
「そんな......」
そんなことないって鈴原は言いたいんだろうけど、やっぱり俺は鈴原に甘えすぎてたんだと思う。
愛されることに甘えすぎてた。
「俺、好きだって表現の仕方下手だから、お前も感じ取れなかったのかもしんねえけど......」
でも、
「俺だって、すっげえ好きなんだ。鈴原のこと、めちゃくちゃに大好きなんだ」
「せん、ぱい......」
「......これからはさ、ちゃんと二人で想い合ってるって自覚を大事にしてこうぜ」
俺たちは付き合っていながら、両片想いをしていたのかもしれない。
お互いが相手の気持ちに自信を持てなかった。
でも、それも今日で終わり。
これからは両想いになるんだ。
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