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231/支倉高志side
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突然のことに俺はフリーズしてしまう。
「......」
「意味分かった?」
「......」
「はーせーくーらー?」
「......はあああっ!?」
「わっ!?声でかっ!」
ありえない。ありえない。そんなはずはない。
だって岡本は、いつだって「陽ちゃん」ばっかりで。
他の人間になんて目もくれない。
それなのに......。
「嘘だろう......」
俺がそう呟けば、岡本は「しょーがないなー」と笑う。
「好きだよ、支倉」
「......っ」
岡本から初めてもらった、「好き」の言葉。
なんども夢見て、待ち望んだ言葉。
それを今もらえたことに、目頭が熱くなる。
「なーに、涙ぐんでんの」
「うるさい」
顔を見られないよう、俺は岡本を抱きしめた。
「ちょっと、ここ廊下なんだけど?真面目委員長?」
「俺たち以外はいないから問題ない」
岡本だってそれを確認してキスをしてきたんだろう。
それなのに悪態をつくのは、きっと照れ隠し。
「可愛いな、岡本」
「......」
「好きだ」
「......知ってる」
俺たちはどちらともなく再び唇を重ねた。
一年と少しの片想いが終わりを迎える。
岡本にとってもそれは同じこと。
「俺を途方もない片想いから救ってくれてありがと」
そう言って、岡本は幸せそうに笑ってくれた。
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