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ていうか、見事に真っ黒だな。
立花の髪を見て、そう思った俺は、立花に話しかける。
「立花、髪染めたんだな」
「え?ああ、案外似合うっしょ?惚れた?」
「......」
呆れて、メニューを置いて下がろうとすると、立花が俺の腕を掴んできた。
「ちょ、立花?」
鈴原の方を見れば、呑気にメニューを開いている。
「陽さん。俺、もう大丈夫だから......ってのはまだ嘘だけど、大丈夫になるように前向くって決めたっす。陽さんの言葉信じます。だから......ありがとうございました」
そう言った立花は、「じゃ、それだけ言いに来たんで」と頭を下げてから帰っていった。
「......」
それを見送ってから、俺は未だにメニューを見ている鈴原に驚きの表情を向ける。
それに気づいた鈴原は、首をかしげた。
「なんでそんな顔で俺のこと見るんですか」
「いや......お前、あいつがここに来るために、わざわざ付き添ったのか?」
もともと、俺の仕事が終わったら鈴原と店をまわるつもりだった。
待ち合わせ場所はここじゃないのに、どうしてわざわざ来たのかと思えば、そういうことだったのか。
立花のためにそんなことまでするなんて、一体どういう風の吹き回しなんだろう。
「俺はただ、先輩の執事姿を見たかっただけですよ?すごく似合ってます。......今夜、執事プレイしません?」
「なっ!?す、するわけねえだろ!このバカっ!!」
俺は顔を真っ赤にして、その場を後にした。
なんかうまくかわされた気がする......。
けど、鈴原なりに考えてくれてるんだと伝わってきて、少し嬉しくなる。
......ぜってえ、執事プレイとかしねえけどな。てかなんだよ、執事プレイって。
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