アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
234
-
*
無事、文化祭も終わりを迎え、あとは後夜祭を残すのみ。
グラウンドに設営されているステージでは、出し物とか告白タイムとか表彰とか、いろいろやっている。
俺と鈴原は、二人きりでそれを遠巻きに見ていた。
「楽しかったですね。文化祭」
「そうだな」
いろいろあったけど、確かに楽しかった。
.....まあ、結局昨日また泣きすぎたせいで、目は腫れたままなんだけど。
それでも、今となりに鈴原がいることが幸せだ。
しばらく手を繋ぎながら無言でいると、音楽が流れてくる。生徒たちは踊り始めていた。
それを聴いた鈴原は、一度手を離し、俺の正面に来てまた手を差し出す。
「俺と踊ってくれませんか」
「......いちいち寒いやつ」
悪態をつきながら手を握る俺は、やっぱり素直じゃない。
けれど、それでも鈴原はにこりと笑ってくれた。
鈴原にリードされて踊っていると、ふと鈴原が動きを止める。
「陽先輩。お願いがあるんですけど」
「お願い?」
「俺のこと、名前で呼んでくれませんか」
「は......?」
真剣な顔で何を言うのかと思えばそれ?
「い、いまさらだろ」
なんだか恥ずかしくなってそう言えば、鈴原は耳元に口を寄せてくる。
「おねがい」
「......っ!?」
耳元で甘い声を出す鈴原と、それに赤くなる俺。
......っ。ほんとずるいやつ。
「れ、れ、玲......。......こっ、これで満足かよ!?」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
234 / 343