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250/立花涼太side
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「うわっ、店長!?お帰りなさい」
「うん。ただいま」
俺が物思いにふけっている間に、帰って来てたらしい店長が、俺の額に手を当てる。
「うーん......熱はないみたいだけど」
「あ、いや、具合悪いとかじゃないっす」
「そうなの?良かった」
俺が否定すれば、店長はすぐに納得する。
すごくピュアで天然。それが相沢誠という男だった。
......けど、違う一面もある。
さっきは陽さんへの恋心で悩んでるって言ったけど、実は最近は他にもっと大きな悩みがあったりするわけで。
「留守番ありがとね、涼太くん」
......これだ。
この、頭に手をおくやつ。そして、褒めるやつ。
今までこんなことされたことないから、なんだかむず痒い。
「あ.....いや、こんぐらい大したことないっすから」
さりげなくかわせば、店長はさらに抱きついて来た。
「いいこだなー」
「ちょっ、店長!?」
「誠でいいよ」
一緒に住むまでは知らなかったが、店長はかなりスキンシップをする人だった。
まるで子ども扱いされてるみたいに、甘やかされてるし。
俺の幼少期は甘やかされるどころか暴力の嵐だったから、こんな風に接されると反応に困る。
それを店長に言ったら、「今までのぶんまで俺が涼太くんを大事にするね!」とか言ってきて、今の状況。
ただのバイトにそんなことする店長もおかしいし、それを密かに嬉しいとか思っちゃう俺も相当頭がおかしい。
それに......
「あの、俺、トイレ行きたいんすけど......」
誠さんに触られるとなぜだか若干勃ってしまう自分が、本当に理解できない。
男。自分より背が高い男。しかも、恋愛対象としてみてない男に!
最近遊んでないからとはいえ、そんなやつ相手におっ勃てるとか、自分のことながら本当にやめてほしい。
善意で養ってくれてる誠さんに、申し訳なさすぎるだろ。
「はぁ......」
慣れない幸せと悩みに、俺はトイレで密かにため息をつくのが日課となっていた。
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