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261/立花涼太side
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なんであんなやつ好きなんだよとか、不倫とかありえねえだろとか色々言いたいことはあるけど、一番に思うことがある。
あんたの柔らかい笑顔が見たいんだって、そう言いたい。
「......誠さん」
「なに?」
「やめにしましょ」
「えっ涼太くん!?どこ行くの!?」
誠さんの言葉を無視して、俺は誠さんの腕を引っ張る。
向かう場所は、あの最低野郎のところ。
「誠さん、携帯貸して」
「え?あっ、ちょっ」
「......あー、もしもし?藤堂さんっすか?今から会いたいんすけど......無理とか受け付けないんで。......はい、じゃあこの間のレストランで」
「......涼太くん?」
怯えた表情で俺を見る誠さん。
「......すみません、勝手なことして。でも、別れるにしても別れないにしても、本心言ったほうがいいと思うんす。もっと、自分大事にしてください」
投げやりだった俺が誠さんから教わったこと。
誠さんはたくさん教えてくれた。
俺に生きてていいんだよって教えてくれた。
こんなんじゃ恩返しになんないかもしれないけど、それでもやっぱり誠さんは笑ったほうが幸せそうだ。
そんな俺の思いが伝わったのかわからないけど、誠さんはぎゅっと手を握りしめて、俺に言った。
「わかった。ありがとう、涼太くん」
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