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262/立花涼太side
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「急に連絡きて驚いたよ。どうしたの?」
俺たちより遅れてきた藤堂が、目の前に座る。
誠さんは肩を震わせながら、懸命に声を出した。
「あの......宏臣さん」
「ん?」
「奥さんや他の男の子と、いつ別れてくれますか......?」
誠さんがそう言えば、藤堂は驚いた顔をした。
「え?どうしたの、急に」
「お、俺、二番目とか三番目じゃ嫌です!」
「誠......」
誠さんが言い切ると、藤堂さんは目を細めて俺のほうを見た。
「はぁ......この子に何か言われたの?」
「え.....」
急に鋭い声になった藤堂に戸惑う誠さん。
「めんどくさいなぁ。男同士なんて未来ないんだから、適当に楽しめばいいのに」
「宏臣さん.....?」
「あのね、君みたいな若いだけが取り柄の男に本気になるわけないでしょ?」
「そんな......俺のこと、好きって」
「好きだよ?身体だけね」
「......っ」
誠さんは涙を流して俯いてしまう。
それでも藤堂はさらに誠さんを責めた。
「それにさ、こっちの子って親戚じゃないよね?こんなチャラチャラした頭悪そうな子連れてさぁ、誠も案外遊んでんじゃないの?嫌だなぁ、君、中古だったんだ」
俺のことは何言っても良い、けど俺のことで誠さんが辱められるのは許せない。
俺は我慢ができなくなって、藤堂の胸ぐらを掴んだ。
「誠さんがそんなやつなわけないだろ!!誠さんがどんだけあんたのことっ!!」
「だから、そういうのめんどくさいから」
「てめぇっ!!」
「おいおい、暴力は感心しないなぁ。警察呼ぶよ?」
「......くそがっ」
「駄目!!」
俺が殴ろうとした瞬間、袖を強く引かれる。
目を向けた先には誠さんが俺の服を掴んでた。
「警察とか別にいいっすよ。あんたのためなら俺......」
「いいから!!」
そう言って誠さんは俺を藤堂から引き剥がす。
「宏臣さん、よくわかりました。もう別れます。今までありがとうございました」
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