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263/立花涼太side
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帰り道の車の中は静寂に包まれていた。
誠さんは何もしゃべらない。
それに耐えられなくなった俺は、自分から口を開く。
「あの......すみませんでした。俺のせいであんな酷いこと言われて......」
「......俺こそごめんね」
「え?」
「俺のせいで涼太くんがけなされた」
「え、いや、でも俺のは事実だし」
自分がチャラチャラしてる自覚はあるし、残念ながら頭だってそれほど良くない。
だから事実だ、そう言えば、誠さんは首を振った。
「事実じゃないよ。涼太くんはすごく良い子。学力だって今までバイトが忙しくてやってこれなかったから出来ないだけで、勉強すればきっと伸びる」
「誠さん......」
「俺ね、自分が酷いこと言われても諦めきれそうになかったんだ。身体だけって言われても、身体だけでも一番ならいいかなって思っちゃった」
「そんなっ」
「でも、涼太くんの悪口言われたとき、頭に血が上ってくるのがわかった。涼太くんはそんな子じゃないぞって」
誠さんはちらっと俺のほうを見て、そしてまた前を見ながら俺に言う。
「だから、ありがとうね。涼太くん」
その顔は本当に吹っ切れたようで、俺は安心できた。
だから、つい口に出してしまったのだ。
「誠さん。俺、誠さんが好きです」
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