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昔話.5
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*
「おはよ!陽ちゃん!」
おじいちゃんおばあちゃんの家からでも、学校は変わらず、またいつもの日々が始まった。
「おはよう」
「......」
「何?」
じーっと見つめてくる翔平に尋ねれば、にかっと笑顔が帰ってくる。
「あざ、増えてないな!安心した!」
「......別に、元からだし」
「ふーん」
俺の身体にあざがないのがそんなに嬉しいのか、スキップをしてどんどん先に行く翔平。
「翔平!」
「んー?」
振り返った翔平に俺ははっきりと口にする。
「ごめんな」
「ありがとうの次はごめん?どしたの、陽ちゃん」
死のうと思ってたなんて口にしたら、翔平が悲しむのは分かっていたから、俺は首を横に振る。
俺の自己満に過ぎないけど、謝れただけで充分だ。
「......いや。今日の給食のデザート、俺の分やるよ」
「マジ!?やったぁ!陽ちゃん、大好き!!」
大好き。
お母さんの気持ちはついに聞けなかったけど、もういいやと思った。
誰にも必要とされてない俺だけど、一人だけなら俺を好きと言ってくれる友達がいる。
こいつが悲しまないように生きていこうと、子ども心にそう思った。
*
陽が翔平に依存し始めるきっかけでした。
また暗い話で申し訳ございません(>人<;)
リクエスト募集してます!もしよろしければ、ぜひ!
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