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先輩の秘密.2
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*
半ば強制的に家に連れて帰られ、部屋に入るなりソファに座った玲が自分の膝を叩く。
俺はせめてもの抵抗として、一人分の間を開けてソファに腰を落とした。
「もー、こっちですって」
「ちょっ......!」
すかさず手を引かれ、玲の思い通りの体勢になってしまう。
至近距離に玲の整った顔があるのが恥ずかしくて、俺は俯いた。けど、意地の悪いこいつがそれを許すわけもなく、顎をぐいっと上げられる。
「......っ。やめろ」
「ふふ。先輩、可愛い」
「......」
「大好きですよ。陽先輩」
殴って家を出たわけだから、もっと怒ってるかと思ったのに、なぜだかにこにことして機嫌が良い玲に戸惑ってしまう。
「......何でそんな機嫌いいんだよ、気持ちわりい」
そう言えば、玲は笑みをもっと深める。
「だって、俺が初めてなんでしょ?」
「は?」
「深いキスも......セックスも」
「んなっ!?」
「ただのキスはしたことあるっていうのは、引っかかりますけど......まあ、あれだけ付き合ってたら仕方ないですよね」
ソファに押し倒され、玲が俺の顔を覗き込む。
「ねえ、初めてのキスはどんなだったんですか?」
唇に触れる玲の指はひんやりしている。それは玲が冷たいせいなのか俺が熱いせいなのか。それとも両方なのか、わからない。
「触れただけ?それとも、長く?」
つーっとなぞられて、俺の身体はぴくっと反応する。
口に触れられているだけなのに、心臓がうるさいくらい鳴っていて、死んでしまいそうだ。
「教えて、陽先輩。その可愛い唇で、どうやってキスしたの?」
吐息がかかるほど近い位置で囁いた玲が目を瞑る。
けどそれ以上は近づいてこないから、その言葉通り俺からのキスを求めているのだろう。
最初なんて覚えていない。
あの頃の俺にとって、それくらいどうでも良いことだった。
唇が触れ合って、幸せで泣きそうになるのは、頭が蕩けてしまうのは、玲とだけなんだ。
そんなことを考えていたら、早く玲の唇が欲しくなって、俺は覚悟を決める。
目をぎゅっと瞑って、触れるだけの短いキスをした。
恥ずかしくてずっと目を閉じたままにしていたら、玲の声が耳元で聞こえてくる。
「ふふ。こんなのキスって言いませんよ。だから、キスも俺とのが最初ってことでいいですよね?」
色っぽい声にゾクゾクして思わず目を開けたけど、すぐにまた閉じた。
玲の唇と俺のそれがまた重なる。
「んっ......んうっ」
今度は深く。甘く。
玲が教えてくれた、気持ち良いキス。
「んんっ......ん......」
舌を絡められ、歯列をのぞられ、唾液を送り込まれる。
口の中全部を犯されているような感覚に、もう何も考えられなくなっていた。
「ぷはぁっ......はぁっ......はぁっ......」
やっと解放されて、荒い呼吸を整える。
玲はそんな俺を見て、ニッコリと微笑んだ。
「かぁわいい」
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