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親友.2
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放課後。
陽ちゃんをクラスに迎えに行ったら、女の子の大きな声が聞こえた。
「意味わかんない!一緒に帰れないってどういうこと!?」
「だから、友達と約束してっから」
「付き合って1日だよ!?普通はこっち優先でしょ!」
「......」
相変わらず、陽ちゃんの彼女になる人って我が強いよなぁ......。
苦笑していると、陽ちゃんと目が合った。早く来いよって目で睨んでくる。
俺はそれに従って、教室の中に入っていった。
「あー、ごめんごめん。彼女さん?」
「え?岡本?」
見れば彼女は俺とも面識がある子だった。
俺の姿を見た瞬間、女の子の目は納得したように、けれど悔しそうに俺のことを見つめた。
「約束してたの俺なんだー。でも、用事あるわけでもないし、一緒に帰って帰って。な、陽ちゃん」
「は?翔平?」
本はどうするんだって顔で見てくる陽ちゃんだけど、そんなのはただの口実で。ついでに言えば、この状況は計算のうち。
陽ちゃんの彼女になれて喜んでる女の子に、ちょーっとだけ牽制を。
「いーから。また明日なー」
「......ああ」
ニカッと笑って教室を出る俺に、陽ちゃんは訝しげに軽く手を挙げて応える。
これから陽ちゃんは彼女と一緒に帰って、まあキスくらいならしちゃうかもしれない。でもきっと陽ちゃんは何も感じないだろうから、それはノーカンだ。
相変わらず性格が悪いと自覚はしているけれど、表立って邪魔してるわけではないんだから、これくらいは許して欲しい。
陽ちゃんは俺の特別だから。
彼女が出来ても俺を優先してくれる。
だから焦りはないけれど、むしろ余裕しかないけれど、面白くないのも事実だから。だからこうやって、ちょくちょく陽ちゃんは俺のものだよって見せつける。
俺は、そんな意地の悪い自分のことを『悪魔』だと、そう思ってる。
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