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親友.3
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*
陽ちゃんとの下校が無しになって暇だった俺は、自分の教室で席に座ってぼーっとしていた。
「岡本?まだ帰ってなかったのか?」
ガラッと開いたドアから姿を見せるのは、真面目で眼鏡なこのクラスの委員長。支倉高志だ。
「んー、帰ってもやることないしなー」
「そうか」
「支倉は委員会?」
「ああ」
短い相槌をうちながら、隣の席に腰を下ろす支倉。支倉はこうやって度々、時間を持て余した俺の話し相手になってくれる。
まあ一応は勉強をしてる程らしく、ノートを広げた支倉がちらりとこっちを見てきた。
「今日は、幼なじみは?」
「彼女と帰った。初日なんだから、身を引こうかなーって」
「そうか」
「うん」
入学したてよりは仲良くなったと思うけど、まだまだよそよそしいこの距離感。支倉が無口だってのもあるんだろうけど。
再び静かになった空間で、視線をノートに戻してペンを手に取った支倉をただ何となく眺めた。
......真面目だなー。
支倉はいつも勉強しててすごい。俺だったら頭爆発すると思う。
邪魔するのも何だし、スマホでも弄るかー。
と、机の横にかけた鞄に手をかけたとき、ふと隣の鞄の中に目が行った。支倉が閉め忘れた、支倉の鞄。その中に、コミックスのようなものがチラリと見えた。
「ねえねえ支倉」
「なんだ?」
「それ見せて」
「それ?」
俺の指差す方を見た支倉は、ぎょっと目を見張り慌てて鞄を隠そうとする。
「あ!何で、隠すんだよ!」
「こ、これは違う!」
「何が違うの?漫画だろ?」
「ち、違うっ!」
「んー?あやしー!」
そんな慌てて、ますます漫画に興味が湧く。支倉の反応からするに、いかがわしい青年コミックだろうか。それともあまーい少女漫画?
俺は鞄を抱きしめた支倉に、俺は口端を釣り上げてグイッと詰め寄る。
「岡本っ!?」
多分支倉の目に映る俺は、わるーい顔をしてると思う。
何かを企んだ子供のような、そんな顔。
でもしょうがないよな。だって、この真面目委員長さんが、どんなのが好みなのか知りたいんだもん。
「お、おいっ、岡本、近い!引っ張るな!」
「いーいーだーろー!みせろよー!」
「ちょっ」
「わっ」
グイッと引っ張った鞄から、バラバラとものが落ちる。
教科書、ノート、参考書......そして、コミックスも。
「わ、ごめんっ。すぐ拾うから......ん?」
手に取った漫画はなじみのある重量で、けど何かが違う。だんまりを決める支倉の目の前で、俺はその表紙をまじまじと見つめた。
......。
1ページめくる。
............。
パラパラと軽く全ページに目を通す。
..................。
終盤の方のページ内容に驚く。
........................。
これってもしかして......。
「......なあ支倉」
「......」
「これさ」
「......」
「なんかさ」
「......」
「男と男がさ」
「......」
「セっ───「あああ!」
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