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18/支倉高志side
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「そんなところで何をしているんだ、岡本」
委員会が終わって教室へ鞄を取りに戻ると、帰ったはずの岡本が机に突っ伏していた。
その席は、日比谷の席。
「......初めて陽ちゃんに断られた」
俺が隣の席に座ったのを確認して、岡本が話を続ける。
「今までは俺を優先してくれたのに。どんなに陽ちゃんに彼女ができても、それだけは変わらなかったのに」
「......」
最初から思っていたことがある。
こいつらは互いに依存しすぎだ。
岡本はいつも「陽ちゃん」を繰り返す。
俺は日比谷の家庭について詳しい事は知らない。
わかっているのは、そのせいで日比谷は愛されることに執着しているということ。
その様子を幼い頃から見ていた岡本は、日比谷の気持ちをよく理解している。
だからその心を一番に満たせたのは、どんな女よりも岡本だったのだろう。
岡本は日比谷に愛想を尽かさない。
それが無意識にわかっているから、いつだって日比谷は岡本を優先したんだ。
そして求められたがりの岡本はどんどん日比谷に尽くす。
永遠それの繰り返し。
のはずだったんだ。今までは。
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