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そんな感じでやっと自分の居場所として手に入れたこの家に、初めて恋人を招いたわけだが......。
「おい!俺はそんなことするためにてめえを呼んだんじゃねえ!」
家に着くなり玄関で俺を抱きしめてきやがった鈴原に蹴りを入れる。
俺の渾身の一撃を軽く避けた鈴原は、黒笑顔を浮かべて、首を傾げる。
「てめえ......?」
やばい。忘れてた。
おしおきされるのか......?
何をされるかわからない恐怖に俺は青ざめる。
「ははっ。やっぱり怖がった顔、可愛いですね。しょうがないから、たまにならそう呼ぶのも許してあげます。さっきは名前で呼んでくれてましたしね」
鈴原はそう言って靴を脱いだ。
助かった......。
そう思った俺は本当に単純だ。
この変態が家にあがって何もしないわけがない。
俺は後々それを思い知らされることになるが、いまは知るよしもない。
鈴原は部屋に入って遠慮もなしにソファに腰を下ろす。
「それで?話って何ですか?」
そうだ。俺がこいつを家に呼んだのは話をするため。
男同士のアレヤコレヤをどこかの店に入って話すにはいかないだろう。
「それは、」
「別れ話なら許しませんからね。縛りつけるよ?」
食い気味に言葉を被せてくる。
その顔は真剣そのもの。肯定したら、本当に縛られそうだった。
こいつはどうしてこんなにも俺にこだわるのか。
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