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76/支倉高志side
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岡本が何を言っているのかいまいちわからないが、つまりは岡本は日比谷に本気で向かっていくということなのだろうか?
というか、
「岡本。お前......最近の落ち込みようはどこに行ったんだ?」
初めて会ったときの岡本はこんな感じだった。
なんでも分かっていますみたいな顔をして。
そんな岡本に魅力を感じていたりもした。
けど、最近はなんだか迷っているような様子が多くて、らしくない日々が続いていたというのに。
「俺は臆病者なんだ。それを認めたら、スッキリした」
「憶病者......」
「だから、今は振られるって分かってるから、告白しないの」
「今は?」
「うん。あの関係にヒビが入ったら、行動しようと思って」
向こうに日比谷の姿を見つけて、そちらに目を向けながら話す。
「......陽ちゃんが幸せになれるように、俺も頑張る」
その表情は優しさの中に苦しみも混ざっていて、岡本が何をしたいのか全くわからない。
日比谷と鈴原の仲を壊したいのか、それとも......。
しかし、こいつが日比谷を不幸にするはずがない。
誰よりも日比谷のことを想い続けてきたんだ。
俺も、数少ない友人たちのために、俺に出来ることをしよう。
日比谷の方に向かって歩いていく岡本を見ながら、そう思った。
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