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「嫌いになるわけないじゃないですか」
そう言って、勢いよく抱きしめてくる鈴原。
「なんでだよ」
温もりに安心して、涙が出でくる。
抱きしめ返して震える声で問えば、鈴原の腕の力がまた強まる。
「なんでって......こっちが聞きたいですよ。そんなこと知って、何で俺のこと好きって言ってくれるんですか」
「知らねえよ」
「だってその話だと、俺、先輩の幸せを邪魔してたんですよ?先輩が愛されるはずだったお父さんを取ったことになるんですよ?それなのになんで?」
「だから、知らねえって!」
勢いよく上を向いて、唇を重ねる。
久しぶりのそれは、ムードのかけらもなかったけど、それでも想いは伝わるはず。
「わかんねえよ。わかんねえけど、好きなんだよ!鈴原のこと!俺をこんな風にしたのはお前なんだから、ちゃんと責任とんねえと許さねえからな!!」
「......っ」
やけになって想いを伝えると、鈴原の頬に一粒の雫が流れた。
俺は予想外のことに戸惑ってしまう。
「は!?何泣いてんだよ!?」
「だって......嬉しすぎて......」
涙を拭って、赤い目で俺を見つめる。
「俺、陽先輩に会えてよかった。陽先輩のこと好きになってよかった。陽先輩、愛してます」
そうして俺たちはまたキスをした。
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