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218/鈴原玲side
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それは支倉先輩の携帯だったようで、メッセージを確認した支倉先輩がため息をついた。
「まったく......あの馬鹿」
「......?」
俺も立花も疑問の目を向ければ、支倉先輩は俺に教えてくれる。
「日比谷が、お前に会いに自分の家に戻ったそうだ」
「え?」
「なんだその目は。早く行ってやれ」
さっきまで俺を行かせまいとしてたのに、どういう風の吹き回しなのか。
戸惑う俺に支倉先輩はまたため息をつく。
「はあ......岡本が日比谷の背中を押したなら仕方ないだろう。......もう泣かせるなよ」
その言葉に、俺は頭を下げる。
すぐに陽先輩の家に行こうと、ドアに手をかけたところで、俺はもう一度振り返った。
「玲クン......?」
俺に見つめられて首を傾げる立花。
「まだ許したわけじゃないけど、......ありがとう」
そう言えば、立花は驚いた顔をしてから少し涙ぐんだ。
家を出て、全速力で走る。
早く会いたい。
会って、謝って、抱きしめて、伝えたい。
俺の愛しいあの人に。
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