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今日はいつもより早く目が覚めた。
隣ではまだ玲が眠っている。
いつも俺より早く起きるこいつの寝顔を見れるなんて貴重だった。
12月25日。今日は俺の誕生日。
クリスマスイブは日付が変わるまで抱かれ続け、17歳になった感覚はあまりない。
そもそも、誕生日なんて今まで嬉しいと思ったことなんかなかった。
けど、眠りにつく頃に、「生まれてきてくれてありがとうございます」ってこいつが言うから、俺も生まれて良かったって思えたんだ。
......ほんとかっこいいよな。
玲の寝顔を眺めていると、しばらくして玲が目を覚ました。
「ん.....せんぱい?早いですね......」
「おはよう」
「おはようございます」
玲の腕が俺の方へ伸びて来て、お決まりのおはようのキスをされる。この幸福でまた今日も一日が始まる。
玲は俺の頬を包み込んだまま、にこりと笑った。
「陽先輩。誕生日おめでとうございます」
「ん」
昨日というか今日というか、夜中に何度も言ったのにまだ言い足りないのかと呆れるけれど、祝われることに悪い気はしない。
突然玲が俺の腰をさすり始める。
「ちょっ、なんだよ」
「身体大丈夫?出掛けられそう?」
「お前な......そう思うなら少しは自重しろよ」
「だって、16歳の先輩を抱けるのは最後だったから......」
「......きもい」
俺はそう言い残してベッドを出る。
今日は出掛けるから、ゆっくりはしてられない。
今日は玲の実家へ行くことになっている。
数日前、誕生日を機会に親父に会わないかと玲が相談して来て、俺はそれを承諾した。
どんな顔で会えばいいのかまだ分からないけど、玲と一緒ならなんだか大丈夫な気がしたから。
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