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告白の災難.4
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*
というわけで、俺はあの女と出かけざるを得ない。
あんな恥ずかしい写真を本人に晒せるわけがない。これだけは譲れない。あんな俺、キャラじゃねえんだよ。見せるくらいなら死ぬ勢いで、最高に恥ずかしい。
「先輩.....ほんと怒りますよ?」
だから、死ぬほど恥ずかしいんだから、玲が絶対零度の瞳を向けてきたくらいじゃ動じない......絶対に動じないぞ。
「ふん!そんな目したって俺は行くからな」
「陽先輩......自分が言ってること分かってる?俺が嫉妬深いって知ってますよね?どうしても考えを改めてくれないなら、酷くしますよ?」
「......っ」
やば......これはマジギレしてるかも。
そう思うほど玲の周りの温度は下りに下がり、俺はたじろいでしまう。
よろけた俺を支えるのは玲で、手が触れた瞬間ビクッと肩を震わせてしまった俺に、玲は小さくため息をついた。
「なーんて、先輩がむやみにそんなことしないことくらい分かってますけどね」
「え」
「大方、何か都合の悪いこと言われたんでしょう?」
「な、なんで......」
「分かりますよ。俺は先輩のことが大好きですから。先輩も俺を想ってくれてるって、ちゃんと分かってます」
そう言ってぎゅっと抱きしめてくれた身体は温かい。
「じゃあ───」
玲は頭おかしい変態だけど基本は優しい。
そう安心して、顔を上げた俺だったけど。
「だから、優しく優しく理由を聞いてあげます♡」
「───え」
目の前にいるのは、黒笑顔を浮かべた、甘いけど優しくないイケメン王子様だった。
「ほら、先輩。愛を確かめ合いましょうか」
グイッと手を引かれ連れて行かれる場所なんて一つしかない。だけど行きたくなくて、俺は必死に抵抗した。
「え、いや、待て。落ち着け」
残念ながら玲の方が力が強いから、グイグイと引かれるように徐々にその部屋へ近づいていく。
「えー落ち着いてますよー。そりゃあ、先輩が俺に隠し事してるなんて、すこーし気に食わないけど、それで怒るほど俺は小さくありません。先輩が自分から教えたくなるように、優しくしてあげますから、ね?」
「い、嫌だああっ!!!!」
ぱたん、と悪夢の部屋の扉が閉まる音が響いた。
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