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72/岡本翔平side
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「心から大嫌いだよ」
鈴原のことで、俺の知らない顔をする陽ちゃんを見ていられなくて、ついつい意地の悪いことを言ってしまう。
陽ちゃんのことを分かってあげられるのは、自分だけだと思っていた。
ずっと陽ちゃんの近くにいたから。
俺は陽ちゃんの一番の親友だから。
だから、今まで女なんかに陽ちゃんを取られた気なんてしてなかったんだ。
いつも陽ちゃんは俺を選んでくれたし。
今のままで大丈夫。
まだ関係を変える時じゃない。
そうやって余裕ぶっこいていた結果がこれ。
いつの間にか、陽ちゃんは俺じゃないやつを頼るようになっていて。
俺じゃないやつを好きになった。
なんで?
なんであいつなの?
俺でいいじゃん。
陽ちゃんのためなら、料理だって練習するよ?
陽ちゃんの欲しいこと全部してあげる。
寂しい思いもさせない。
だから俺にしなよ。
って言いたいのに。
「......」
何で言えないの。
陽ちゃんに「好き」って言いたいのに。
振られるって分かってるから。
余計な「嫌い」が口に出る。
臆病者。
こんな自分が一番嫌いだ。
それでも、俺でも何か出来るかな。
変わりたい。
陽ちゃんのために。
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