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82/鈴原玲side
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「いいなー。私も陽くんに会いたーい」
「いや。それはやめて」
「何でよ?従姉弟なんだからいいじゃない」
気づけば目的地まであと一駅。
「真希さん、絶対口滑らしそうだから駄目」
「何よ〜」
拗ねた少しきつめな目は、どことなく陽先輩に似ている。
陽先輩。
会いたい。
会って抱きしめたい。
とは願ったけれど、何もこのタイミングでなくてもいいだろう。
神様が存在するなら、意地悪すぎる。
真希さんに腕を組まれて、うんざりしながら降りたそこに、彼がいた。
「先輩......」
「......っ」
ぷるぷると震える陽先輩。
絶対誤解している。
この状況で誤解するなと言う方が無理な話だ。
「あの......先輩!?」
弁解をしようとするも、先輩は走って行ってしまった。
慌てて追いかけようとするが、腕を掴まれ、完全に出遅れた。
腕の先には、岡本先輩。
「待って、鈴原くん。詳しく聞かせてくれない?」
その顔つきは、小悪魔というのがよく似合っていていた。
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