アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
91
-
「そんなに言うなら、鈴原に会って、それで陽ちゃんから振ってきなよ。俺としては陽ちゃんとの時間が増えて万々歳だし」
「な......」
唖然とする俺に構わず、翔平は話を続ける。
「陽ちゃん、さっきから矛盾してるよ。捨てられたくないって言ったり、望まないって言ったり。それなら今すぐ別れればいい話じゃん。それなのに鈴原のこと避けてるのは何で?」
「それは......」
「諦められないんでしょ?諦める覚悟もないくせに、甘えたことばっかり言わないでよ」
いつも味方だった翔平の辛辣な言葉。
それは図星で、胸が痛い。
翔平の言葉だから、なおさらだ。
なおさら、実感させられる。
「陽ちゃんはどうしたいの?それが一番大事なんだよ?」
「......」
俺が望むこと......そんなのはもう分かりきっている。
立ち尽くす俺の前に、翔平も立ち上がる。
そして一枚の紙を差し出してきた。
「これあげる。これを見た後に、心に残った思いが、陽ちゃんの本音......本当の想いなんじゃないかな」
紙を受け取り、裏返して見ると、それは写真だった。
「な......んだよ、これ」
衝撃の事実が俺を襲う。
女が何だのと言っていられないような、そんな事実。
「どう思った?」
どんな苦しい現実を知ろうとも、その答えからはもう逃れられない。
俺はやっぱり鈴原が好きだ。
心に残ったのはその想いだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
91 / 343