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懺悔
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しばらく頭を撫でられていると、
いつの間にか、耳鳴りは消えていた。
先生に言うと、薬のおかげらしいけど、
そうじゃないことを願いたい…
兄さんのおかげだと。
「瑠衣、もう良くなった?」
「うん。ごめんね、兄さん」
まだだるさの残る体を無理やり起こして、
帰ろうとする先生にも頭を下げた。
(何かあったらまた。じゃあね)
先生は軽い口調で俺に手を振って、帰っていった。
「瑠衣。今日はもう遅いしさ、お風呂入っておいで?」
優しく声をかける兄さんは、
どこか遠い目をしていた。
「兄さん、ごめんね」
俺は謝ることしか出来ない。
まだ俺を恨んでいる兄さんに…
「ごめんなさい」
俺は小さく呟いた。
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