アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
his genome-9
-
余裕綽々なキリさんに対抗するようにジッと目を見つめると向こうも負けじと見返して来る。
何の対決だ、これ。
運動部で日々鍛えているから身体を支える腕はいつまででも耐えられそうだ。
だけどメンタルは鍛え足りなかったみたいで。
……ああ、もう無理!
これ以上至近距離でキリさんを見てたら色んな意味で俺の身体がもたない。
先に目を逸らしたのは俺の方だった。
「もう~! いい加減に突っ込んで下さいよ!!」
「あれ? もしかして俺が入れる方?」
「その突っ込むじゃないですって!」
突っ込み所は満載だ。
男同士だし。
鈴にいと付き合ってたって言うぐらいだからキリさんは抵抗がないのかもしれないけど。
俺はずっとキリさんにまた会いたいなって思ってたけど、それは単に友達としてなのか何なのかよくわからない。
「俺がその気だったらキリさん今ごろ」
「いいよ~」
そう明るく答えたキリさんの目は何故か寂しそうだった。
まだ鈴にいが好きなんだろうな。
だけど、その寂しさを他の人で紛らわせても根本的な解決にはならないんだ。
「あ、ちょっと。キリさん?」
俺が真面目に考えているのにキリさんは下半身に手を伸ばそうとしてくるから油断ならない。
「そんな事ばっかりしてたらいつか身を滅ぼしますよ」
「ユタカのおジジ」
「はいはい」
「説教魔神」
「はいはい」
何を言われても適当にあしらっていたら終いにはプーッと河豚みたいにむくれてしまった。
でもそんな変顔をしても綺麗な人はどこまでも綺麗なんだ。
「誰彼構わずこんな事してたらおじいちゃんになった時に後悔するんですからね」
「誰彼構わずじゃないよ」
「え……」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
70 / 111