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逆襲の毛バタキ-1
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「なに読んでるの?」
明日どうしても提出しなきゃならない学校の課題がやっと終わって振り向くと、ベッドの上に胡座を掻いた晩里は何やら雑誌を広げて読書に没頭していた。
やっと晩里とイチャイチャできるんだー、って喜び勇んで後ろに回り込んだけどこれでもかって言うほどリアクションがない。
「ば~んりっ」
ぬくぬく温ったかい背中にピタリと張り付いたけど高さがちょっと物足りない。
晩里は背だけじゃなく座高も高いから、枕の上にクッションを重ねてやっと同じぐらいの高さになった。
腰に手を回して肩越しに覗き込むと「秋にぴったりシチュー特集」のページが開かれていて、野菜がゴロゴロ入ったクリームシチューがデカデカと載っている。
「明日の夕飯考えてるの?」
「はい」
最近ちょっと寒くなってきたから温ったかいシチューもいいな。
美味しそうな写真を見たからか何だか急にシチューが食べたくなってきた。
「俺、明日シチューがいい。その今見てるやつ作って」
「いいですよ。でもシチューだけじゃ物足りないから他のおかずを何にしましょうか」
晩里はページを捲って「シチューによく合う小鉢30選」を見ながら「冷蔵庫に小松菜とナスがあるから……」ってブツブツ呟いている。
雑誌は胡座を掻いた脚の上に広げてあるから、両手はガラ空き。
ベッドの上にポンと置かれた俺のより一回り大きい掌に指を絡めるけど、雑誌に夢中でイマイチ反応が薄い。
退屈だなー。
うーんと伸びをした手の先に棒みたいなものが触れて、引っ張ってみると毛バタキの柄だった。
「晩里~」
毛バタキで作務衣の背中をペシペシやっても、気付いてるのか気付いてないのか全く返事がない。
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