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暖かい人 2
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その男性は三十代後半位の男前で、背が高い。
灰色の瞳に黒い髪、真っ黒のコートを身にまとっていた。
優しい声とは裏腹にとても怖そうな男の人。
ママと妹のローザ以外の人間とあまり関わって来なかったエディにとって年上の男性は未知であり恐ろしい存在だ。
「…だ…れ……?」
恐怖に逆らいやっとの思いで口から出た言葉は掠れていた。
「俺はグレン・ローレンス。今日からお前の父親だ。」
突然、淡々と彼は告げる。
「ママ…は?」
「昨日、殺人未遂で逮捕した。」
「…… うっ…」
僕は酷く混乱した。
ない頭で状況を整理しようとして、頭がいっぱいになって気持ち悪くなった。
「…ぅぇ……」
吐いちゃだめだ…
吐いたらまた、ママに怒られちゃう。
僕が必死に口を抑えているとグレンがそっと僕の背中を撫でた。
「…吐いてもいい。誰もお前を責めたりしない。」
その優しい手に、声に、僕は安心してしまって吐き出した。
「…おぇ…うっ……」
そんな汚い僕の事を彼は横で、ずっと優しく撫でてくれていた。
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