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俺だって。
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一般入試当日。
俺は家の前でさつきの用意が終わるのを待っていた。
「青峰くーん!もう少し待っててー!!」
慌しくさつきが叫んだ。
さつきは私立も公立も俺と同じところを受験するらしい。
「ったく......、ちゃんと用意くらいしろよ」
そんなふうに呆れていると、携帯が光っていることに気づいた。
電話に気づかず、留守電が入っているらしい。
......テツからだ。
震える指を抑えて、再生ボタンを押した。
『......青峰くん、ですか?僕です、テツヤです。もう連絡することもないと思ったので......。
短い間だったけれど、君の影として一緒にプレイ出来て、良かったです。......それから、』
『 』
ここで通話は終わっていた。
「ごっめーん青峰く......って、なんで泣いてるの......?」
俺は、泣いてるのか。
「......何でもねぇよ。......行くぞ」
「う、うん」
そうして俺は歩き出した。
いや、歩き出してしまったんだ。
もう二度とテツと交わらない道を。
俺だって「好きだった」
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