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凍えるような寒い冬に両親は僕と弟の優希を残して先だった
『不慮の事故』
その一言で、両親の死は片付けられてしまった。
僕は、泣けなかった
否、泣かなかったのだ
ここで、兄である僕が泣いてしまったら優希はもっと不安になってしまうから
僕は涙をこらえながら僕の横で大泣きしている優希の背中をさする
親戚は、僕たちのこれからについて揉めていた
「うちは、無理よ!」
「俺の家だって!」
「チッ、誰も引き取れないんじゃしょうもねぇだろ」
「さっさと決めないと!」
「あの!!!」
僕は声を振り絞り少し大きめな声をだす
「僕は、今年から高校生なのでバイトしたり、母さんたちの貯金を使いながらであれば暮らしていけます!弟も僕が養います!!」
「薫くん…でも、子どもだけじゃね…」
「お願いしますっ!!」
「でも…薫くんは、あの高宮学園へ入学するのでしょう?お金は、大丈夫なの?」
「僕は、高宮学園で特待生枠での入学が決まってます。
学費・食堂での食事代・教材費はすべて無料です。
だから、お金の面については問題ありません。
僕が責任をもって優希を養います!」
深々と頭を下げる僕に親戚の方々は、渋々といった感じだったが了承してくれた。
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