アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
春の章一 風光る
-
「昨日の連中、また来るんちゃう?」
「さぁ、少なくとも一人は来ないと思うよ。鼻、折れてるし」
「さらっと怖いこと言うてんなぁ」
「あいつらが勝手に突っかかって来るんだよ。負けるの分かってんのに」
「ふーん」
「高校生にもなって、頭悪いよな」
「ま、同じレベルで争うと喧嘩になんねんから、放っておくのが一番やと思うで」
「やってる。でもそうすっと、しつこいんだよなぁ」
「おぉ、田崎」
事務棟から声をかける男がいた。
上下ジャージに、職員用の健康サンダル。
一瞥して通り過ぎようとした遊命達を、大きな声で呼び止めた。
「調子はどうだ? 調整は上手くいってるか?」
「別に普通だよ。調整なんてしてないし」
「調整?」
「何だ、知らないのか?」
聞き返した可児に、男は目を輝かせて嘯いた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
15 / 115