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夏の章二 清明(せいめい)
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それでも、遊命の口内が梅酒の香りで満たされると、辛うじて可児に応じていた。
柔らかい、湿った音が、可児の耳に届く。
「…可児…俺…」
「眠い?」
「…ん…、寝入りっぱだから、きっと鈍いと思う」
「そうなん?」
「うん…って、おい」
言葉では、遊命に従いつつも、可児の熱の隠った行為が修まることはない。
可児は遊命の両足を高く上げ、膝が顔までくるほど深く折り曲げると、ベッドとの間にできた隙間から遊命のジャージに手を掛け、下着と共に一気に膝までたくしあげた。
「わ…たた、なんちゅう恥ずかしい格好を。どうせなら全部脱がせよ」
それは、まるで赤ん坊のおしめを替える時の格好。
「…ハハ」
「何?」
「今の同意を得たことになんねんで」
「あぁ…もういいよ。目ぇ冴えちゃったし」
「ほんなら」
可児は、膝で一塊になっていたジャージを脱がすと、露になった遊命の素足に舌を這わせた。
踝、膝の裏、太股の内側、足の付け根、一つ一つ確かめるように唇を押し当て、吸い、痕を刻む。
「…ん、ぁ…」
薄闇の中、聞こえてきる声だけが、相手の反応を知るサインとなり、遊命の窪みへと降りて行く中で喘ぐ声は、深く、早くなっていった。
可児の舌が、執拗に硬く閉ざされた一点だけを解していく。
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