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夏の章三 夏ぐれ
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寝返りを打てない辛さと、重苦しさで目が覚めた。
身体の上には、可児が覆い被さって、スースーと寝息をたてている。身体が重なっている部分は熱く重い。お互いの汗でじっとりしている。
可児の額にも汗が吹き出ていて、生え際がしっとりと濡れていた。
あのまま寝たのか……と、遊命は昨晩のことを思い出そうとするが、途中から記憶がない。鎮痛剤の効力も手伝ってか、今の今まで熟睡していた。
「…可児」
遊命が可児の頭を軽く小突く。
「……ん…」
煩わしそうな顔をするが、可児が起きる様子はない。
「可児、起きろって」
遊命は、可児の身体をわしわしと揺さぶった。
「…ん~、何や…もうちょい優雅に起こしてくれ」
「そんなことは、起きてから言えよ」
遊命は、うだうだする可児の頭にペシリと一撃を食らわせた。
「乱暴やなぁ」
可児は髪をかきあげると、むくりと頭を起こした。近眼と寝ぼけ眼が相成って焦点が合っていない。
「……おはようさん」
「はよ。重いから退いて」
「んー…」
可児は一伸びし、大きく息を吐いた。
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