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真面目仮面を着けて☆
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「岸村、今日の放課後ゲーセン寄っていかないか?」
「え、さんせー?」
高校に進学して早二年。
毎日ゲーセン、カラオケ、バッティングセンター、その他諸々。
高校生活を大いに謳歌する高校男児、岸村。
見た目こそ派手ではないものの、つるむ連中は謹慎処分を受ける者、補導された経験のある者など、素行の悪いやつらも少なからずいた。
岸本はそんな連中たちとつるんでいたせいもあって、幼馴染みであり、優等生で人望も厚い添島とは疎遠になっていた。
しかし、今日のゲーセンは添島とだった。
「珍しいな、添島が俺誘うなんて。俺の行いはどうあれ、つるんでるやつらがアイツらだからさ、お前の名誉に傷がつくんだろうなって思って、話しかけるの遠慮してたんだよなー」
「確かにそうだな」
「心なくても、そんなことないよ、くらいは言えよ」
岸村のツッコミに、ふは、と軽い笑いを飛ばす秀麗な添島は、眼鏡を人差し指であげる。
「添島は真面目だよなー」
岸村は素直に添島を褒める。
その言葉に、「そんなことないよ」と返す。
その真意を深く考えもせず、岸村は道端を歩く。
「俺はあんなやつらとつるんでるけどさ、いつまでも背ぇ小せぇし、喧嘩とか出来ねぇから、そんなときは仲間に匿ってもらうというチキンっぷりだせ?」
「……くくっ」
笑いを噛み殺しきれず、添島は喉でくつくつと鳴らす。
可愛いもんだ、いつまでも。
仮面なんて着けずに、素の自分をさらけ出してしまいたいほど。
添島は、虚偽のないギラついた瞳を、眼鏡の奥にひた隠しにした。
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