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非日常への階段 亮side
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「…え?」
男の子は「帰りたくない」ではなく「帰れない」と言った。だとすると家出ではないか…深刻そうな顔を見ると迷子でもなさそうしなぁ…
「よし!わかった!今日は出血大サービスだ!」
「出血…?」
「君、名前は?」
「結城 雪…雪って書いてせつって読むの」
「そっか!じゃあ、雪くん。今日家に泊まっていいよ」
「え!?お兄さんの家に…?」
「あっ、俺は相馬 亮。好きに呼んでいいよ」
「そうじゃなくて、泊まっていいって…」
「だって、家帰れないんでしょ?」
「…うん」
なぜ雪くんを家に連れて帰ろうとするか、自分でもわからない。可哀想だったからなのか、一人暮らしが寂しかったからなのか…。
俺が手を差し出すと、雪くんは恐る恐る手を握ってきた。一人っ子だから、弟がいるとこんな感じなのか?と思う。
「あの…亮さん」
「ん?」
「亮さんのお父さんとお母さんに怒られない?ぼくのこと連れて帰ったりして、殴られない?」
「殴られないよ笑 それに俺一人暮らしだし、俺のこと怒る人なんて…あー、一人くらいだよ」
「?」
あきらの顔が浮かんできてついつい苦笑いした。
非日常への階段を俺はもうのぼり始めていたんだ
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