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非日常への階段 雪side
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「殴られないよ笑 それに俺一人暮らしだし、俺のこと怒る人なんて…あー、一人くらいだよ」
「?」
亮さんはお父さんやお母さんに殴られないんだ…いいなー
亮さんのことを怒る人って誰なんだろう?
「ここだよ」
ここが亮さんの家か。ぼくの家と同じアパートかな?
「あんまり綺麗な部屋じゃないけど、適当に座ってて?」
「う、うん」
ぼくの家はものがごちゃごちゃしてて、家の中に入れた時によく物を踏んじゃう。踏んじゃうとまた外に出されるから、気をつけてはいるんだけど。
でも亮さんの部屋は、物はごちゃごちゃしてないし整理整頓されてて綺麗だ。なんだか落ち着かなくて、ぼくはソワソワしてしまう。
「なんか飲む?オレンジとコーラどっち?」
「え?オレンジ?コーラ?」
「オレンジジュースとコーラだよ笑 ……まさか知らないのか?」
「ううん、知ってるけど…」
「なんだ笑 びっくりしたじゃないか笑」
「飲ませてくれるの…?」
「え、そりゃあな」
オレンジジュースもコーラも久しぶりに飲むなぁ。ずっと水しか飲ませてもらえなかったし。
「で?どっち?」
「あ、えっと…オレンジジュース…」
コーラは炭酸ってやつが入ってる。喉がシュワシュワしてぼくはすごくびっくりしちゃうんだ。だからコーラは少し苦手。
「はい」
「ありがとう…美味しい…」
「あっ、雪くんお腹空いてるんだよな。すっかり忘れてた。すぐご飯作るから、風呂入っちゃいな!って、風呂まだいれてねぇし、洗ってもなかったんだ。あっ、雪くんの服もねぇや…俺のはデカすぎるしな…どうしよ」
ご飯…?お風呂…?ぼくご飯食べれるの?お風呂にもきちんと入れるの?最近はずっとお風呂にも入れてもらえなくて、濡らしたハンカチで体拭いてたから嬉しいなぁ。
「あきら、呼ぶか。あいつ今から大丈夫かな」
亮さんが誰かに電話をかけている。ぼくはその後姿になんだかすごく安心したんだ
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